イタリア北西部、リグーリア海岸にある5つの美しい村、チンクエテッレ。
断崖絶壁の場所に作り上げられたカラフルな5つの村は、ポルトヴェーネレと小島群と共に世界遺産に登録されています。
孤立していたチンクエテッレの5つの村
イタリア語でチンクエとは数字の5、テッレとは土地を意味します。
北西から東へ、
1. モンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare) 、
2. ヴェルナッツァ (Vernazza)、
3. コルニリア (Corniglia)、
4. マナローラ (Manarola)、
5. リオマッジョーレ (Riomaggiore)
と小さな村が続きます。
11世紀に要塞都市として誕生したこれらの村。
村と村を繋ぐ道が無かったため、人々は隣町へ行くにも船を利用しなければなりませんでした。
現在は、鉄道や遊歩道が整備され大変便利になり、多くの観光客で賑わうチンクエテッレですが、各村を結ぶ道路が出来たのは1980年頃、つい最近の事だったのです。
5つの村を結ぶトレッキングコース
愛の小道(Via dell’Amore) Photo by Twice25 & Rinina25
チンクエテッレは各村がトレッキングコースで結ばれています。すべての行程を歩くと約4〜5時間。コースからの眺めも大変素晴らしく、このトレッキングコースを目的にやってくるヨーロッパ各国からの観光客も多いんですよ。
マナローラとリオマッジョーレにかけて続く遊歩道は「愛の小道 (Via del’amore)」と呼ばれ、恋人達の聖地!?ともなっています。キスを交わすオブジェの周りには、願いを込めた南京錠が見られます。
愛の小道はゆっくり歩いて約1時間の道のり。トレッキングされる際は、歩きやすい靴をお忘れなく!
幻のワイン・シャッケトラ
チンクエテッレはワインの産地としても有名です。
ワインが有名になるまでの道のりは長く、人々の並大抵ではない苦労がありました。
他の都市との交流がない、孤立した村の住民は、生きる手だてを模索します。岩だらけ、急斜面といった土地の特長から、酪農は無理。農作物もなかなか根付かない。そんな中やっと育った作物の一つがぶどうだったそうです。
チンクエテッレのぶどう畑は、日本の稲作の棚田のように広がっています。収穫量は少なくても、質のよいぶどうが穫れるのだとか。
中でも、この地方のみで作られるデザートワイン、シャッケトラ (Sciacchetrà)は希少なワインとして知られています。
【基本情報】
州:リグーリア州
県:ラ・スペッツィア
人口:
モンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare) 約1500人
ヴェルナッツァ (Vernazza) 約1000人
コルニリア (Corniglia) 約250人
マナローラ (Manarola) 約450人
リオマッジョーレ (Riomaggiore) 約1700人
市外局番:0187
面積:51キロ平方メートル(ラ・スペッツィア県)
言語:イタリア語
通貨:ユーロ (1€ = 約106円、2012年12月現在)
【行き方】
船と電車の2つの方法があります。
船を利用する場合
まずは、ラ・スペッツィアを目指しましょう。
ジェノバからラ・スペッツィアまでは電車で約1時間半。フィレンツェからは約2時間15分です。
ラ・スペッツィアからチンクエテッレの各村へは約1時間から2時間。海から眺めるチンクエテッレも絶景ですよ。冬期は運休になります(11月中旬から3月頃まで)。
電車の場合
〈ジェノバ方面から〉
ジェノバからモンテロッソまで約1時間半。
〈フィレンツェ方面から〉
フィレンツェからは約2時間15分、ラ・スペッツィアで乗り換えです。
ラ・スペッツィアからリオマッジョーレまでは電車で約8分。チンクエテッレの各村間は電車で3分ほどです。30分から1時間に1本程度ですが、遅れることが良くあります。
レジョナーレ(regionale 普通電車)でも、電車によってチンクエテッレのすべての村に停車するものと、モンテロッソとリオマッジョーレのみに停車するものがあるので要確認です。